はじめてでも「使える英語」が身につく!
田中健一 著
定価:本体1500円(税別)
ISBN:978-4-7890-1811-1
「英文を日本語に訳して答え合わせをする」「日本語訳を見て元の英文を復元する」。ただこれだけのステップを踏む「復文」という学習法で、なぜ飛躍的に英語力が伸びるのか、『英語復文勉強法』の著者である駿台予備学校英語科講師の田中健一先生とThe Japan Times Alphaの高橋敏之編集長が、「復文」のもたらす効果について語り合った。
翻訳家。ダン・ブラウン作品、エラリー・クイーン作品など著名翻訳多数
「復文」とは、英文を日本文に訳し、それをまた英文に訳すこと。手抜きせずにつづければ、まちがいなく本物の語学力がつきます。五感を総動員して、脳のいろんな部分を刺激するからでしょう。そうやって習得したものは、末端の枝葉ではなく、太い幹として体にしっかり残ります。
わたしは大学時代にフランス語の教科書を1冊まるごと「復文」しました。英語の翻訳者なので、フランス語に接する機会はほとんどありませんが、40年ほど経ったいまでも、少し辞書を引けばかなり難しいフランス語の文章も読めます。当時の勉強法が正しかった証拠です。
復文はどんな素材を使ってもできますが、この本では最も効率的に英語の構文を体得できる例文が厳選され、わかりやすい解説がついています。意欲のある人は参考例文まで覚えてください。中学生から社会人まで、本気で英語をものにしたいすべての人にお勧めします。
私が復文と出会ったのは、関口存男を通じてです。この「不世出の語学の天才」は、習い始めて1年でアテネ・フランセでフランス語を教える様になったような人ですが(その半年後にはラテン語まで教えることに。専門はドイツ語です)、この時関口が使った学習法がほかならぬ「復文」でした。
「復文」はなぜ最強なのか。それは、自分が慣れ親しんでいる言語と、いま学ぼうとしている言語が、どこがどう違うのか、そして自分がどの程度その違いに気づき扱えているか(いないか)が細部にわたってノートの上に残り明確になるからです。
さて、関口存男が書いたいちばんやさしい本に『関口・初等ドイツ語講座』という、天才のくせに我々凡人がどこでつまずくか、そして嫌になるかを熟知した語学書があります。解説もわかりやすく(適度に詳しくなく)面白いのですが、この本の肝は例文です。
習い始めで使えるのは限られた単語と文法事項なのに、どれも読んで楽しい。そして習得すべき単語と文法が残らず織り込まれていて、繰り返すうちに染み込むように身につくようにできている。
私の中では、この特徴はつぎのことと繋がります。
英語についての対談でDainさんとお話した時に、おすすめ本に田中健一先生の『英文法基礎10題ドリル』を挙げたのですが、こう紹介した覚えがあります。
この本の著者は、英語を学ぶ中高生がどこでつまずくか、そしてどこで嫌になるかを熟知している。だから間違いそうなポイントを最低限に抑えながら、本当に細かくステップアップできるようにアレンジしてあるんです、と。
というようなことを詰め込んで、あの帯のコメントとなりました。
実際、ゲラを読ませていただいて、「復文」×田中健一先生という組合せは想像以上でした。多くの人が手にとっていただけますように。
基本例文・発展例文を日本語に訳してください。紙とペンを用意して答案を書き出してください。頭の中だけで済まそうとしてはいけません。
Step 1でつくった自分の訳とStep 2の[和訳]を比べます。間違いがあれば赤で修正しましょう。
訳例から元の英文を復元します。ここでも、頭の中だけで済ませるのではなく、手を抜かずに紙に書き出してください。
基本例文・発展例文の再掲とワンポイント解説です。正しく復元できているか答え合わせをしてください。
復文をすると自分の理解の甘いところがすぐに分かります。何より脳みそをフル回転している感じがしており、大変ですがやりきったあとの爽快感は格別です。
復文を始めて半年くらいですが、作文の時にもちろん有効でしたが、何より英文を読むスピードが格段に上がったような気がします!
復文の効果は計り知れない。あれ? リスニングが前より聞き取りやすい。ライティングも以前よりスラスラ出てくる。英会話も以前よりよく褒められるようになった。あれ? 何か学習法変えたっけ。あ、復文。
初めはピンと来なかった。半信半疑でやってみた。気付いたら楽しくなってきて、模試の点数が大幅に上がった。
参考書をただ読んでいると眠くなってしまうけど、出てきた例文で復文をするようにしてからは寝落ちしなくなった。
はじめてでも「使える英語」が身につく!
田中健一 著
定価:本体1500円(税別)
ISBN:978-4-7890-1811-1
駿台予備学校英語科講師。大阪大学文学部(西洋史学)卒業。
名古屋大学文学部(言語学)中退。著書に『英文法基礎10題ドリル』
『英文法入門10題ドリル』『英文読解入門10題ドリル』(いずれも駿台文庫)がある。